【Commando 2】

【Commando 2】

監督:デーヴェン・ボージャーニー Deven Bhojani

出演:ヴィドゥユト・ジャームワール、アダー・シャルマー、イーシャー・グプター、フレディ・ダルワーラー

トレイラー

トーリー

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台湾でのミッションを終えて帰国したコマンドー、カランヴィール(ヴィドゥユト・ジャームワール)には早速次のミッションが待っていた。ヴィッキー・チャッダーという名の謎の人物が、巨額の不正資金を国外に送金して逃亡を図ったが、マレーシア当局に逮捕され、インドに送還されることになったという。しかし、インド政府内の大物も含め、ヴィッキーに不正資金の真相を暴露されたくない人物が多数いるとみられ、ヴィッキーの送還には妨害工作が予想された。

ヴィッキー送還には、カランヴィールのほか、エリート警察官バクタワール(フレディ・ダルワーラー)、銃撃戦スペシャリストのバヴナー(アダー・シャルマー)、天才ハッカーのザファル(スミト・グラーティー)からなる特別チームが結成され、マレーシアに派遣されることになった。クアラルンプールに着いたカランヴィールたちに、思わぬ罠が待ち受けていた。

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本物アクションが売りの【Commando - A One Man Army】(2013)の続編。ふつうアクション・シーンはワイヤー・リフトとスローモーションで作られるインド映画からするとかなりの衝撃でした。また、主演のヴィドゥユト・ジャームワールは単なる格闘家やスタントマンではなく、ハンサムで演技もできるタレント性十分な俳優であることも前作が注目された要因になりました。

主演のヴィドゥユト以外のキャストはすべて入れ替わっています。ヒロインは前作で元ミス・インディアながらあまり冴えなかったプージャー・チョープラーに代わり、ホラー映画などで出演実績のあるアダー・シャルマー、【Rustom】(2016)のイーシャー・グプターのダブル・ヒロイン的(「的」くらい)。監督も前作から交代しています。

本作のサブタイトルは「The Black Money Trail裏金を追って」。インドでは2016年11月に裏金撲滅を目的として高額紙幣を廃止する措置が行われ話題になりました。そんな中での本作はまさにタイムリーなテーマです。

しかし、そんなテーマ設定が本作に関しては裏目に出たという感じでした。前作は主にジャングルを舞台に大勢の敵を相手に戦うランボー・タイプのサバイバル・アクションでしたが、本作は都市を舞台に敵を追跡するストーリーで、アクションはその合間に挿入されます。まずはそのストーリーがわかりにくいうえに雑。敵の目的が不明なのはいいですが、それがわかったところでつまらないというのではダメでしょう。主人公たちによるその追跡はテキトーな手がかりを見つけては次に進むというもので、謎解きの見事さもなければスリラーとしてのスピード感もありません。

主人公が前作のように追われる立場ではなく追う立場なのも作品の魅力を削いでいます。全編をアクションにするのは無理ですが、本物アクションが売りである本シリーズであれば、少なくとも主人公は常時臨戦態勢にあるようでないと中だるみが生じます。最近の同タイプのアクション・スリラーでは【Force 2】(2016)がありますが、本作は緊迫感ではだいぶ劣ります。

しかしながら、ヴィドゥユトのアクションはやはりすごい。冒頭の本筋とはまったく関係のないアクション・シーンが一番のみどころというのは難点ですが、そこを逃すと本作を観る意味がなくなります。クライマックス近くのアクション・シーンでは「一人称視点」の映像で斬新ではありますが、ヴィディユトのアクションを見せるという意味では良かったのかどうか疑問が残ります。ヴィディユトその他の筋肉は大盛なので、そういうのが好きな人には良いでしょう。恋愛要素やヒロインは作品の性質上どうしてもオマケになってしまいました。

アクション・シーンだけはしっかり観て(筋肉シーンは任意)、あとは流し観程度で。

音楽

「Hare Rama Hare Krishna」

もちろんプロモ用ですが、原曲はアクシャイ・クマール、ヴィディヤー・バーラン主演の【Bhool Bhulaiya】(2007)のタイトルソングで、比較的新しい曲のカバーはわりと面白い試み。

【Bhool Bhulaiyaa】タイトルソング

「Tere Dil Mein」

ヴィドゥユト・ジャームワール  「コマンドー」カランヴィール役

すごいアクションをやっても「戦闘マシーン」のようにならないところがこの人の良いところだとは思いますが、それでもこの人のアクションが前面に出ないような作りはやはり失敗だったと思います。もっとも、ヴィドゥユト自身はアクション以外の作品でも行けそうな可能性は十分にあります。次はアジャイ・デーヴガン、イムラーン・ハーシュミーと共演の【Baadshaho】が予定されています。これはいいかもしれません。

アダー・シャルマー  バヴナー役

デビュー作のホラー【1920】(2008)が評価されたものの、その後あまり出演作がなく、ホラー、B級ラブコメ、脇役での出演が続き、最近では南インド映画への出演が続いていました。ヒンディー映画は【Hasee Toh Phasee】(2014)以来。それなのに、どうしてこんなにヘンテコなキャラなのでしょうか。後半には実はそれほどヘンではないことがわかるのですが、それなら前半のいじられぶりは何なのでしょうか。結構かわいいので、もっとちゃんと使ってあげてほしいです。

イーシャー・グプター   マリア・チャッダー役

【Rustom】(2016)と本作で、完全に「おっかない女性役」というキャラが決まったかと思いましたが、【Hera Pheri 3】、【Aankhen 2】などの続編への出演があるらしく、まだチャンスはありか。

作品の最初の最初、画面に大きな川の風景が映り、字幕には「台湾」。しかし、映像はどう見てもバンコクチャオプラヤー川。続いてカランヴィールたちがマレーシアのクアラルンプールに派遣がされる設定だが、映像はどうみてもバンコク市内。もちろん、ほとんどの観客はわからないか、わかっても気にしないかとは思いますが、「どうせわからないだろう」とか「どうせ気にしないだろう」という作り手の考えが見えるのは良くないと思います。

【Commando 2】

ヴィディユトのアクションが見られればストーリーは妥協という人、とにかく筋肉を見たいという人、なんとなく苦労人アダー・シャルマーを見ておきたい人、バンコクを台湾と言われても怒らない人、おすすめです。

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